禁煙を目指している皆様に、 少し風変わりな提案をさせてください。

 私は愛煙家です。ここ数年は減煙していたとは言え、2日で1箱を消費していました。とりあえず煙草が手元にないと落ち着かない。朝起きて一服しないと一日が始まらない。ごく一般的な愛煙家です。

 もちろん煙草が人体に与える影響は、とても悪いものであると知っています。服や髪に嫌な匂いが付き、手や口も煙草臭くなって自分だけでなく、他の人にまで迷惑をかけてしまう。白い壁だったお部屋、素敵なソファー、車のシート、至る所に煙草の匂いが染み付き、悪臭を放つ。煙草なんて百害あって一利なしだと理屈ではわかっています。それでも、そんな煙草に毎月何千円ものお金をつぎ込んでいたのが私です。

そんな私は別に煙草をやめるつもりもなかったのに、
なぜか今ほとんど煙草を吸うことがなくなりました。

 今まで何度か禁煙に挑戦し、そのたびに挫折してきた私ですが、今回は無理せずスムーズに量が減り、最終的にはほとんど吸わない状態になりました。どうして煙草の量が劇的に減ったのか、そもそも吸いたいと思わなくなったのか、私自身不思議に感じていました。

そしてふと気がついたのです。煙草を吸いたいと思わなくなったきっかけに。

 私たちは、高岡が持つ歴史や伝統、そして受け継がれてきた伝統技術が生み出す素晴らしいクラフトを日本のみならず、世界に対して発信していきたいと考えて2011年に高岡において高岡鳳凰堂を創業しました。富山県高岡市は江戸時代から400年続く金属工芸の町です。それは高岡に住む私たち市民の誇りでもあります。とは言え、そんな伝統の金属工芸とは、仏壇仏具や茶器、花器、銅像、置物などが主であり、誇りに思う私たち自身が進んで欲しいと思えるようなものはほとんどありませんでした。

 しかし、思い込みだけで製品の価値を決めることは、ビジネスマンとしてやるべきことはありません。実際に毎日使い込み、自分自身や自分のライフスタイルに何らかの変化があるかどうかを自分の目で確かめてみなくてはなりません。そこで私は問屋で目にしたシンプルでコンパクトありながら、黒く美しく重厚に輝く香炉を手に入れて、その日から実際にお香を焚きはじめたのです。

 この話をすると多くの人に驚かれます。なぜならば実際に香を焚くのは仏壇用の香炉くらいのもので、このような工芸品としての香炉で本当に香を焚く奴があるか、と。そうです。このような香炉は一般的には鑑賞用であり、床の間に飾るのが常識なのだそうです。その辺りの常識がなかったおかげで、私は毎日のように香を焚き続け、その結果、一体何が変わるのか自分自身を観察し続けることができました。

気がつけば私のライフスタイルそのものが
少しこれまでとは変わったものになりました。

 これまでは朝起きたらまずは煙草を吸うというのが愛煙家の一日でした。それを朝起きた所でお香に火を点けることにしたのです。同じ煙でも、お香から立ち昇る良い香りは寝起きの頭をスッキリとさせてくれます。お香が燃え切るまで約10分間、その後あらためて煙草の煙を吸いたいという気持ちは不思議と起きません。そのおかげで心なしか朝食もこれまでよりも美味しく感じるようになりました。

 同じように夕食の後や読書をしている時、寝る前など、これまで当たり前のように煙草を手にしていた機会を、香に火を付けることに切り替えたのです。お香の効果は、煙草の量が減るだけにとどまりません。読書の時にはほのかに香る白檀や伽羅の香りが脳を刺激し、煙草を吸いながらの読書に比べて、明らかに集中することができるようになりました。また就寝前のお香は、体をリラックスさせ、心地良い状態で眠りにつくことができるようになりました。

 煙草とお香、同じ煙でもこの二つは根本的に異なっています。煙草は口の中を気持ち悪くし、味覚や嗅覚の感覚を鈍らせる働きをします。鈍らせるだけでは済みません、将来的には癌をはじめとした重大な病気となって私たちの体を蝕む可能性が飛躍的に高まるのです。それに対して、お香は私たちの嗅覚を研ぎ澄ませ、時には集中力を高め、時には精神をリラックスさせてくれます。この違いは、きっと香を焚き始めてすぐに体感するものです。そしてそれを体感した時にはすでに煙草に手を伸ばす回数は激減しているはずです。

 元々香りによる癒しやヒーリングに対しては男性よりも女性の方が敏感であると言えます。アロマテラピーを筆頭に、アロマポットやキャンドル、ディフューザーを用いたヒーリングなど、香りによる癒しは多岐に渡ります。男性も同じように厳しい環境で日々仕事をし、少なからずストレスにさらされているはずですが、香りによる癒しが選択されることはほとんどなく、多くの場合、お酒を飲んだり、ゴルフや釣りをしたりという方法でストレスを発散します。しかし、ストレスを発散し、精神的にリラックスさせる方法を考えた場合に、次のどの感覚器官を活用するのが最適だと思いますか?

視覚的なリラグゼーション

映画や舞台を観る、DVDを借りてくる、TVゲームをする、テレビを観る、などが挙げられます。私たちにとっては最も身近で日常的なストレス発散の手段と言えます。これら視覚を用いたリラグゼーションにかかるコストは視聴者数が増えるほどに下がりますが、その代わり得られる効果も小さいという特性があります。舞台や歌舞伎のような劇場に行かなければ観られないものほどコストが高く、映画館、DVDレンタル、テレビという順でコストが下がります。テレビは最も低コストですが、やはり生の役者が演じる舞台ほどの臨場感を得ることはできません。

聴覚的なリラグゼーション

音楽会やライブ、コンサートを聴きに行く。高性能なスピーカーでCDを聴く、携帯電話で音楽を聴く。聴覚を用いたリラグゼーションも視覚的リラグゼーションとその関係はよく似ています。コストを下げれば下げるほど手軽にはなりますが、大きなリラックス効果や心を震わせるような生演奏の感動からは遠ざかります。

味覚的なリラグゼーション

美味しいものを食べ、美味しいお酒を飲むことでストレスを発散されている方もきっと多いことでしょう。しかし、こちらもまた他と同様に新鮮な食材を用いた料理や、希少なお酒は高額になってしまうのが普通です。もちろんファストフードやジャンクフードを食べてストレスを発散することは可能でしょうが、これはストレスを発散するというよりは、誤魔化しているに過ぎません。むしろ必要以上に脂肪や糖質を摂取することで、リラックスどころか栄養が偏ったり、肥満になったりして、より体調が悪くなる危険性さえあります。

触覚的なリラグゼーション

体を動かすことはストレス発散にとても良いことであることは私たちの誰もが知っています。しかし、こちらは自分自身が能動的に行わなくてはならない時点で前者二つのリラグゼーションに比べるとコストが跳ね上がります。海に出かける。サーフィンをする。山へ出かける。ハイキングをする。スノーボードをする。道具に係るコストだけでなく、時間的コストも多大に係ります。しかし、だからこそ、発散できるストレスの量も非常に大きいことは間違いありません。あるいは、マッサージやエステ、鍼灸なども触覚を用いたリラグゼーションですが、これらプロフェッショナルの人たちの時間を一定時間買い取る必要があるので、こちらも大変高額になることは理解できることでしょう。

嗅覚的なリラグゼーション

アロマキャンドル、アロマディフューザーなど香りを用いたリラグゼーション、アロマテラピー。お香も含まれます。アロマテラピーをサロンで受けたりすれば、マッサージ同様プロフェッショナルの時間を買い取る必要があるので必然的に高額になります。しかしアロマディフューザーやお香は家庭でも実践でき、高いリラックス効果を得ることが可能です。

では、嗅覚を用いたリラグゼーションについてあらためて考えてみましょう。

 今挙げた五つの感覚器官のうち、現代人が最も鈍っているのはどの感覚器官だと思いますか。そうです。嗅覚です。本来嗅覚は危険な動物の接近を嗅ぎ取ったり、食べ物の安全を口にすることなく嗅ぎ分けたり、と非常に繊細でありながら、生き延びるために絶対に必要な感覚器官であったはずです。しかし、社会が発展し、嗅覚に頼らなくても生存できる私たちは、結果的に嗅覚を鈍らせてきてしまったのかもしれません。もちろん、五感の中で嗅覚の重要性が昔よりは低くなったからといって、私たちは嗅覚をなくしたわけではありません。むしろ、今一度考えてみてください。五感の中で精神的なリラックスに直結しているのはどの感覚器官か。きっと多くの人が嗅覚を想像するのではないでしょうか。そしてその直感はきっと正しいでしょう。嗅覚を用いたリラグゼーションとはすなわちアロマであり、今ご紹介しているお香です。他のリラグゼーションは大変高額であったことを考えると、お香は得られるリラックス効果と比較して驚くほど低コストだと思いませんか。

 しかも、私が自分の目で確かめ、制作の過程をつぶさに見てきた香炉は、まさに素晴らしい伝統工芸品です。ここ十年来に渡り、高岡ではこれら伝統的な香炉を鋳造できる職人は日ごとに減りつつあります。人々のライフスタイルが変わり、床の間に香炉を飾るような文化が廃れてきたこともあるでしょう。もしかすると今ほど数を作れる時代はもうなくなるかもしれません。だからこそ、ひとつひとつ職人の手で鋳造される香炉は未来において、その価値が上がることはあれ、ゴルフクラブのように簡単に価値が下がることはないのです。

 バブル崩壊以後行きすぎた資本主義経済とグローバル化に飲み込まれ、いまだにデフレ経済から脱却できない日本人にとって資本主義だけが私たちの未来を照らすわけではないと、多くの人がすでに気づき始めているはずです。それはリラグゼーションやストレス発散など刹那的な快楽を超えた精神的豊かさを取り戻す大いなる止揚です。日本人が、私たちの祖先が、何百年もかけて培い、伝承してきた素晴らしい文化を守ることは言葉には表せない喜びを感じることでしょう。そして、この青銅で作られた美しい香炉は、あなただけでなく、あなたの子へ、そして孫へと受け継がれて行くのです。一回の食事やマッサージに大金を使うのではなく、あなた自身の人生や家族を香りを通じて豊かにしていくことにお金を使う方が素晴らしいと思いませんか。

 この小さくてシンプルな、それでいて重厚感のある香炉は、名前を瑞祥、そして飛翔と言います。鋳型の原型をデザインしたのは、無形重要文化財、富山大学芸術文化学部名誉教授である麻生三郎氏です。伝統と現代アート的な要素が見事に融合し、従来の日本家屋だけでなく、洋室やマンションのエントランスにもよく似合うデザインに仕上がっています。

 蓋を開ければ、それが小さくても本物のブロンズクラフトであり、細部にまでこだわり抜かれた鋳造、研磨、着色が施されていることがわかります。手に乗せればズシリとくる重みが、銅の高級感を実感させてくれることでしょう。瑞祥とはすなわち縁起良し幸きたるという大変めでたい言葉です。飛翔は読んで字のごとく、あなたの人生がより飛躍することを願ってつけられています。これらめでたい香炉を使い続けることで、自然と心がポジティブになり、ゆくゆくはあなたのもとに今以上に幸福が集まってくることでしょう。

 長らく本棚の肥やしとなっていたノーベル文学賞受賞作品であるガルシア・マルケスの百年の孤独を読みました。瑞祥からただようほのかな香の香りを感じながら、遠く南米に思いを馳せ、主人公マルコスに自らを投影する。金銭には変え難い芳醇なる時間。これほど贅沢な時間を過ごしていることに後ろめたさすら感じるほどです。私はたまたま手にした香炉のおかげで煙草を運良く辞めることができました。それだけはありません。私が本当に手にしたのは伝統を受け継ぐ誇りであり、精神的な豊かさなのだろうと確信しています。

 ぜひあなたも瑞祥、飛翔を手にし、精神的な豊かさを感じてみませんか。生産の個数にも限界があり、極めて少数しか作っていない瑞祥、飛翔、高岡鳳凰堂からお譲り致します。

麻生三郎氏の手がけた "瑞祥・飛翔"はAmazon 高岡鳳凰堂よりご購入いただけます。

麻生三郎作「瑞祥」

伝統の技法を生かしつつ、洗練されたモダンなデザインの香炉、それが瑞祥です。

コンパクトでスタイリッシュな香炉は、現代の生活様式に自然と溶け込み、何気ない日常を癒しの香りで満たしてくれることでしょう。

考え抜かれた末に生み出された実にシンプルなデザインは、伝統工芸品というよりは現代アートと呼ぶにふさわしい作品に仕上がっています。

サイズ:高さ9.5 × 幅8cm  素材:青銅

梱包仕様:化粧箱  高級御香付き

通常価格:23,100円(税込)

特別価格:14,800円(税込)

amazonで購入

麻生三郎作「飛翔」

伝統の技法を生かしつつ、洗練されたモダンなデザインの香炉、それが瑞祥です。

デザインがシンプルですので置く場所を選びません。玄関に置けばお客様をもてなす香り、書斎ではリフレッシュするための香りなど、お客様の生活に応じて様々な場所でお使いいただけます。

また素材は青銅ですので、年月を経ることによってさらに趣のある深い色へと変化してゆきます。

サイズ:高さ9.5 × 幅8cm  素材:青銅

梱包仕様:化粧箱  高級御香付き

通常価格:23,100円(税込)

特別価格:14,800円(税込)

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